ゲーム与太話

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【感想】レディリバティHD クリア:アサシンクリードⅢ リマスター

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 女性アサシンのストーリーということでⅢが終わったあとプレイ。アヴリーンがなかなか強い女性で私は好きでした。

 英語版だと『Assassin's Creed III: Liberation』だそう。日本版とタイトルが違うんですね。

 

liberation

解放,釈放,解放運動,遊離

liberationの意味・使い方・読み方 | Weblio英和辞書

 もしかしなくてもダブルミーニングになってるっぽい?

revelation

(今までわからなかったこと・隠されていたものを)明らかにすること,暴露,すっぱ抜き,漏らすこと,発覚,暴露された事物,意外な新事実,明らかにされた事実,天啓,啓示

revelationの意味・使い方・読み方 | Weblio英和辞書

 

・ストーリー

 プレイ中にWikipediaの概要を見て知ったんですが、どうやら本作は『アブスターゴ社が、テンプル騎士団とアサシン教団の戦いにおける「グレーの部分」をアサシンの眼を通して体験してもらうために開発した商品』とされている様子。あとあと見返してみたところゲームの冒頭で、英語の女性音声が「この製品ではアヴリーン・ド・グランプレのメモリーにアクセス可能です」と確かに言ってるんですが、ここだけ字幕がなく音声のみ、更に作中には現代パートもないため具体的な説明はなかったようにも思います。公式サイトにもその点の明記はなく自分は調べて初めて知りました。次回作や説明書とかで補足されるんだろうか。

 

 というわけで最初は普通にゲームをプレイするのですが、途中で謎の『エルディート』という人(集団?)がゲームに対してハッキングをかけてきて、その後徐々にプレイヤーは自分が体験している遺伝子記憶がアブスターゴによって改竄されている事を知り、ゲームを進めつつ歪められた真実を暴いていく……という形になっていきます。ここの動線もちょっとわかりにくいのでマップ全域を掛け回らないとで食わせない真実もあったりします。

 

 あとPSVitaのソフトからの移植作品ということでグラフィックにはあんまり期待していなかったんですが、思っていた以上に綺麗で楽しめました。

 

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 スクショで見ててもそこまで気にもならない。画像はニューオリンズの街の一角とチチェン・イッツァ

 

 舞台はフレンチ・インディアン戦争後の1765年からアメリカ独立戦争の最中である1780年までの15年の間でアメリカ・ニューオリンズということで、ヨーロッパ風の建造物や衣服を着た人達が目を引きます。まずパッと見で街中の色彩がⅢと比較すると豊かに感じられました。広めのバルコニーを飾るように植えられた観葉植物、鬱蒼とした木々の生い茂る沼地などコナーの時にはあまり見られなかった外観も。ただし華やかな雰囲気のある街から外れるとスラム街のような一角や、煌びやかな衣装の人々の列の合間に奴隷階級と思われる人の姿もあり、かなり混沌としています。

 

 アヴリーンは典型的なクレオールとしてフランス人商人の父、奴隷の実母の間に生まれ、レディとして育てられたため、かなり裕福な環境で過ごしています。白人同様の教育を子どもの頃から受けることができたためか、ピアノが弾けたりするのは元より、商人としての素養もありしっかりと自立した女性として描かれている印象。

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 自宅の景観はほぼお屋敷のようで、ミッションによっては舞踏会に行くことも。アヴリーンは仕事熱心なのであまりそういった遊びに出かけたりはしないようですが。そのせいか知人の娘に「付き合いが悪いったら」なんて陰口を言われるシーンがあったりしました。(このシーンは聞き込みしなくてもストーリーは進められるんですが、先に聞かないでストーリー進めちゃったのでもう一度話を聞くためにやりなおしたら嫌味を言われててかなしみになった…)


 血筋の関係で財産の相続権はないものの、それでも父・フィリップはアヴリーンが一人で生きていけるように熱心な教育をしていた様子。愛されて育ったんだねアヴリーン。基本的にこのフィリップがとてもいいお父さんで、全体的にコナーの時には無かったあたたかな家庭像が挿入されておりちょっと泣けます。まぁコナーくんもホームステッドはめちゃくちゃあったかいんですが、こっちはもっとこう、一般的でかつ恵まれた家庭像みたいなもの。

 

 またコナーの時にあった「狩猟によって剥いだ獣の皮を輸出する」「ホームステッドを豊かにして売り買いできるものを増やす」みたいな遊び方はできなくなっているものの、生まれ持った家庭環境ゆえに交易自体は可能なので、香辛料やコーヒー、氷やタバコetcを購入して運送することで安定して資金を増やせる。交易の解禁からお金を稼ぐのが容易なのか、武器や密輸人から買える時計(収集アイテム)の値段設定はⅢに比べると高め。


 最初のマップ解放の時点ではその辺に点在するお店はほとんどが商売敵のものですが、やはり悪徳商法で金を巻き上げるひとや、グランプレの扱う商品に対するデマを流すひとがおり、そんな商売敵にお仕置きを食らわせることで自分の店にできる!というのが面白かったです。

 更にアヴリーンは商売敵が破産して事業撤退、もしくは暗殺することで閉店したお店を買い取り、事業拡大をする傍らでそこにいた奴隷を改めて彼女のお店で雇いなおす……という流れで環境を変えていくのですが、武力行使で解放するだけしても「じゃあ解放された後の人の行方は?その人たちどうなるの?」という部分がちょっと気になっていたので、なるほどここでも商人の娘という設定が生きるのか、と思いました。

 ゲーム的には収入源が増えるわけではなく結果的に購入する武器や衣装の値段を少し下げるくらいなんですが、戦闘がそこまでしんどくないのでコンプリート目的でもなければ初期のもの(もしくはユニティ)で十分な印象。困った時の煙幕。煙幕強い。


 じゃあ武器や道具に使うお金がそんなに掛からないのなら稼いだお金はどこに使うの?

 もちろん衣装だよ!!(私は)

 

 着せ替えシステムだ!やったー!

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 レディリバティはペルソナの使い分けシステムというのがあって、アヴリーンは状況に合わせて『アサシン』『奴隷』『レディ』の姿をとることが可能。個人的にこのシステム良かったです。私は「どうしても最初から最後までアサシン服でクリアしたい!」みたいなこだわりが無かったのでフラットに楽しめたというのもあるかもしれないです。もっと明確に役割や区別がないとあってないような要素でもあるのかなーとは思いました。元々「あってもなくてもいい要素に何故か力が注がれてる」みたいなのがかなり好きなんですよね。

 

 衣装にカラーリングが沢山あったり、選ぶペルソナによって『悪い噂』の落とし方に違いがあったり、使える武器種が違ったりするのは面白い仕様だったなと。こちらも商売敵の店を買い取ると少し値引きされます。

 悪い噂の消し方もわりと手間には感じなかったんですが、レディの時に目撃者を暗殺しようとする時にうっかり戦闘に入ると少し面倒。でもレディの衣装で優雅に街を闊歩しながら日傘から毒矢を放つアヴリーンはめちゃくちゃかっこいいです。

 

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 更にレディの姿だと暗殺対象の人間にセクハラ紛いの発言を受けたり、街にいる荒くれ者3人組に下衆な感じで絡まれたりすることがあるのも妙に生々しくて記憶に残っています。「生意気な女は嫌われるぞ」とか言われる。

 荒くれ者どもは乞食システムのかわりだと思うんですが、今回はアヴリーンが身なりのいい女性ということもあってか、あろうことかジェラールのふりをした荒くれ者どもに偽の手紙で騙され誘拐されてしまうサブミッションがあったりもしました。お金がちょっと減ってた気もするし元々そんなにお金を持ってなかった気もする。というか誘拐されたあと最初に出くわす荒くれもの、立ちションしてませんでした?アヴリーンから見ると後ろ向いてるからそう見えただけなんだろうか。あとここぞと使われるクマでちょっと笑いました。そんな危ないもんを人が沢山居るところに連れてくるな。


 あとテンションが上がったのは収集でアンロックできるチャーミングドレス!

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 普段のアヴリーンのレディ衣装とは違って髪型もアップになりよりおめかしした様相に。色違いでも十分なくらいだったけどやっぱりデザイン違いがあると集めたくなります。


 このドレスの取得方法が『レディで相手を魅了して宝石つきのブローチを貰う×10』なんですが、レディだと段差を飛び越えたりできないのに、ミッションの相手が建物の2階のバルコニーにいるせいで宝石を貰うためだけに梯子を登って屋根に上がり、他人の家のベランダに上から侵入する図になってシュールでした。お転婆かな?

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・バイユー

 マップにはⅢにあったフロンティアの代わりにバイユーという木々の生い茂る沼地があって、そこにはワニがいたりアライグマやウサギを見かけたりも。残念ながら皮は剥げない。そこまでちゃんと散策していなかったので私は遭遇する機会がなかったんですが、バイユーの水辺を泳いでいるとワニに食べられて即死するらしいですね。陸地に上がってⅢの時にあったようなQETを熟すとワニを殺すことが可能。前述の通り毛皮を剥いで売ることが不可能な分、皮の品質を気にしなくていいので見つけ次第ピストルで撃つのが一番楽でした。

 バイユーで一番興奮したのはおおきな木!Ⅲにも木の上にビューポイントがあったりしたけど、沼地の化け物のような大木、その幹にあく大きな洞!木の根元に施されたヴードゥーの呪具!呪具はちょっと怖いですが腐って折れた木の根元から太陽光が注ぐあの感じ、たまらん。

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・コナーくん

 おまけ要素なんだと思いますが途中でクエストでクロスオーバーするコナーくん!
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 アヴリーンの方が時代的に先輩のはずなんですが、壊れた橋に到着したあたりで「越えられるか?」と聞いてくるところでちょっと笑いました。

 時代的にはヒッキー暗殺のあと、アキレスと喧嘩する前あたりらしい。処刑台のフルシンクロが無理だよコナーくん。

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 レディリバティだとあんまり猫背っぽくないせいでちょっとおすまししてるみたいに見える。(会話自体はなんかやっぱ天然っぽい)

 ゲーム内モデルの都合かもですがアヴリーン背が高いな。

 

・操作面

 Ⅲの方が全然動かしやすかったです。馬車やカヌーといった操縦は個人的にそこまで辛くなかったんですが、フリーランの挙動が不安定すぎて木の上でアヴリーンが予想打にしないところに飛んで行きまくる。ビューポイントの木登りもかなり辛かった……あと洞窟内。今作は水中に潜ることも可能ですが、潜りの操作もかなり怪しめ。まぁまぁストレスがたまる仕様かなとは思います。


・バグ

 これもⅢの時はまったく遭遇しなかったんですけどレディリバティでは頻出。途中までは『ピストルのアイコンが何故か毒矢になったまま戻らない』『そのへんの地形でスタックして抜けられない』みたいなのが点在するくらいで問題はなかったんですが、ラストの方で衣装を着替えたり自宅に入ったりすると操作可能のまま画面が暗転して何も見えなくなる(メニュー画面は見れる)状態になってしまい、再起動までそのままになるのがループするようになってしまったのでほぼ続行不可能に。フルシンクロにもあまり拘っていませんがこれはこれで残念な気分に。

 

 

 Ⅲ同様に『抑圧からの解放』『親子関係』『師弟関係』が描かれているため、先にも触れましたがアヴリーンの父・フィリップの、娘・アヴリーンに対する愛情や、実母・ジャンヌに対する深い愛情が窺えたのが良かったです。 フィリップが亡くなる瞬間の会話が改竄の前後どちらも悲しい。この時代は男女であっても身分の差があると自由に結婚できなかったんだもんな。毒を盛られ意識が混濁する中、アヴリーンのことをジャンヌと勘違いして赦しを乞うフィリップの姿は痛烈でした。

 継母・マドレーヌは後半に行くに連れ小山茉美さんの演技の冷たさが光ってとても良かったです。アヴリーンとは違った意味で強かな女性。欲を言えばもっとメリハリが欲しかった気もする。根本的にそうやって生きている(生きられる)人間に情で語りかけてもどうにもならないもんな……と思うのでラストの容赦のない展開も納得。悲しいけれどアヴリーンがきちんと怒れる人間で良かったです。本人もそう口にしている通り一応マドレーヌにもマドレーヌなりの愛情はあったんでしょうが、目的の為に手段を選ばない、自分の娘さえもひとつの道具として扱う、という部分が今作の奴隷への扱いと被ります。アヴリーンは立場は違えどそうやって人に駒として扱われてきた人たちを解放したい立場だし、そこには実の母親も含まれている。表面だけ見るとマドレーヌは奴隷を自由にしていて国から評価もされていますが、解放する代わりにテンプル騎士団の労働者として遺跡に送り、逃げようとした人を抹殺する命令を出す立場にいるので、奴隷として死ぬまで扱き使われるか、遺跡で死ぬまで扱き使われるかの差でしかないんですよね。

 結局のところジャンヌはアヴリーンと一緒にニューオリンズに帰ることなく、元奴隷だった人々と一緒に居続ける選択をしてしまうけど、自分にとってかけがえのない居場所があるというのも当たり前の幸せなので、ジャンヌが納得してるならそれでいいかなと思いました。

 そう思うと途中でイカダで逃がした男性含め、今作は『解放された奴隷はその後どうなるか』にも焦点が向いてるのかな?と。

 

 結局一番行動に納得がいかなかったのはアガットですが、彼も解放奴隷の一人なんですよね……。レディリバティもストーリー中に急に数ヶ月の月日が飛ぶので、前回からの空白の時間に何があったのかわかりにくいというのも影響しますが、心情が汲みにくい。終始自己中心的で、話が進む度にやたらと難癖をつけられるのでキャラクターを理解するきっかけがなく、ただ驚く方が多かったです。猜疑心に塗れていたというテキストがあった気がするので、孤独に囚われて抜け出せなかったのなら致し方ない……のかなぁとも思うんですけど。皮肉なことに心までを貧困の渦中に置いてしまった人という印象。マカンダル(マッカンダル)に相当心酔していたようだし、ジャンヌにも裏切られたと思っている、お尋ね者として一人で過ごすうちに更に更に視野狭窄になってしまったんだろうか。バイユーの奥地に身を隠していたなら今みたいに連絡をとりあうのも容易じゃないですし、ジャンヌはまだ居場所があるのを考えるとずっと孤独な人。(ただニューオリンズの街に出てきた時堂々と墓地から大通りに向けて帰還するアガットにはじわりました)

 継母と師匠の、アヴリーンへの『子』としての扱いがひどく、ラストのボスラッシュからの流れはアヴリーンが可哀想でやや辛かったです。それにしてもテンプル騎士団を出し抜く為にテンプル入りするアヴリーン、強い。

 

 あとジェラールがちょくちょく癒しになってくれていてとてもとても可愛かった!彼はアヴリーンの幼馴染のようですが、ここも幼い時の馴れ初めのひとつでもあったら良かったのになぁ。昔からアヴリーンに振り回されてそうです。なにより加瀬康之さんの声がたまりません。チチェン・イッツァに乗り込むあたりでアヴリーンは彼をもっと大事にしてあげてくれ!と思ったりもしましたが、舞踏会前やラストの会話を見るにきっと余計なお世話なんだろうな。しあわせにいきて。


 本編は手軽で軽快でした。同時に展開やストーリーの補足、ミッションの動線に関してはⅢよりも痒いところに手が届かない感覚があったかなと。アニムスデータもⅢのショーンのような第三者目線での注釈がないので、歴史背景の掘り下げを自分でしないとならないのも惜しい〜。インターネット様様ですね。

 というわけで色々思う部分はありますが、途中でアサシンブレードを自作する展開があったり、コナーくんとの共演があったりなど、プレイ自体は結構楽しかったです。

 なにより2012年の時点でいろんな偏見や複雑な社会情勢の中で揉まれながら世界に働き掛ける女性を主人公としたゲームが出ていた、というのがけっこう凄いことだなあと思いました。

 

 次はアサクリリベルコレクションのⅣ ブラックフラッグ!

 の前にⅢの感想を書きたい。

 

以下参考・公式関連サイト

Assassin's Creed 3 Lady Liberty アサシン クリードIII レディ リバティ | ABOUT - アサシン クリードIII レディ リバティとは? | Ubisoft

Assassin's Creed 3 Lady Liberty アサシン クリードIII レディ リバティ | SPECIAL COLUMN:レディ リバティの世界を考察する - 第二章 | Ubisoft

アサシン クリードIII レディ リバティ クロニクルトレーラー - YouTube

アサシン クリードIII レディ リバティ ストーリートレーラー - YouTube